もし高校野球の女子マネージャーがみんな健気な『ヤリマン』だったら

「もし高校野球の女子マネージャーがみんな健気な『ヤリマン』だったら」 DEEP’S  監督 井坂朋泰


タイトルとパッケージで分かるように、昨年話題になったあの本をパクったバカAV……と思いきや、これが意外と爽やかで清々しい青春AVなんですよ。


何故かYouTubeで予告編がアップされています→http://www.youtube.com/watch?v=3YskadxtrHE


一時期ツイッタ―ではこのタイトルを挙げて、「くだらねー」「ひどすぎる!」みたいなコメントが多数並んだりしていて(TBSの文科系トークラジオ『Life』でも二村監督がこのタイトル名を口にしただけで周りから「ひでぇ〜」の声が挙がってました。まあそりゃそうだろうなぁ…)、ネタやら話題にしながら多分ほとんどの人が観ていないんだろうなぁと思いますが、すごい良かったんですよ、この作品。


舞台はとある田舎の高校野球部。季節は真夏。3人の女子マネージャーが登場するオムニバスものです。夏服のセーラー服にポニーテールが似合う娘を揃えているのもポイント高いですね。それぞれ絡みにいく前にグランドや山道での練習シーンが入っていて、監督の横で「ファイト〜!」「もっと声出していこー!」と声掛けたり、調子悪そうな部員を気遣ってフォローしたりとかっていうマネージャーとしての仕事ぶりがちゃんと描写されているので、その後のフェラやセックスシーンの興奮度が上がるし、「あの○○マネージャーを、今俺は一人占めしてるんだ」感、「俺達、こんな可愛いマネージャーにこんなコトしてもらってるんだ」感をもたらしてくれるんですね。


パッケージの裏にも書いてあるように、ヤリマンはヤリマンでも、そのヤリマンぶりに3人それぞれキャラ設定がありまして、
■なつみマネージャー・普段は厳しいがホントはすっごく恥ずかしがり屋なヤリマン
■かなでマネージャー・慣れてない野球にもSEXにも一生懸命でがんばり屋なヤリマン
■ここみマネージャー・部活もSEXもグイグイ引っ張ってくれるアネゴ肌のヤリマン

と絶妙なトコを突いてきます。(エロゲーとかでそのまま使えそうですね)



一人目のなつみマネージャー編は、練習中のグランドの隅っこにある物置小屋で、「俺もう野球辞めよっかな」とヤサグレる部員・高橋に、「そんなこと言わないで。私、高橋君に期待してるんだから!」と喝を入れて、練習ばかりで性欲悶々としている彼のおちんちんを優しく慰めてあげたり、「マネージャーさぁ、高橋にばっかエコひいきしてねぇ?」と拗ねる部員・木村には校舎の屋上で痛めた足をマッサージしてあげながらセックスまでしたりする健気な「ヤリマン」ぶりなのですが、このなつみマネージャー、「恥ずかしがり屋」というのはこの娘(加藤なつみさん)の素のキャラのようで、そのせいで「普段は厳しい」の部分の芝居が全然演じ切れていないんですね。その落差がポイントのはずなのに…。


物置小屋のシーンでも、「しっかりしろ! 高橋!」と最初は威勢良く叱ってたものの、「なつみマネージャー、可愛いしさ」と言われると、「そんなことないよ、私『キツイ』って言われるし…」と、結構大事なその台詞自体を恥ずかしがってちょっと笑っちゃったりして、ちゃんと言えてないんです。
バックにグランドで練習中の部員達の声が響く中、「練習中にこんなコトしたらダメだから…秘密なんだよ」って台詞とか凄いグッとくるんですけど、加藤さんが素であわあわして挙動不審になりながら、「私、慣れてないから…どうしたらいいかな…?」の問いに、高橋君が「僕もなんで、大丈夫です。おまかせします!」と答えたりして、なんかお互いが迷走してる感じが漂っていて、はっきり言って見ちゃいらんないグダグダなやりとりが続くわけです。


でもですね、アドリブきくスキルの高い女優さんとは違う加藤さんのこのドン臭さが、なんだかだんだんと可愛く思えてきてしまうんですね。
監督の狙いでこんな風になったわけではないだろうし、現場が現場だったら加藤さんみたいな人はAV女優として劣等生だろし、作品として成り立たなくなってしまう可能性もあるわけで。でもなんか、運動会のパパママ気分ていうんでしょうか、「ほらガンバレ! なんでもいいからもっと高橋君に声掛けて! フェラももっとガンバって!」と応援したくなっちゃうんですよ。リレーで周回遅れの子に声援贈りたくなる時のように。


加藤なつみさんてkawaiiで2009年にデビューして、アロマ企画にも出たりしている女優さんなのですが、アロマの僕のオナニー見て下さい系の作品で一度観たことがありまして、その時も異常なほどの恥ずかしがりっぷりが印象的な人でした。おちんちんシゴいてオナニーしてる男性の目をまともに見れなかったり、しまいにはイラっとする程の「どこまでカマトトぶるんだよ?!」っていう反応が演技ではなく本当に素だったりして(本当のところはどうか分かりませんが)、今どきこんな人もいるんだなぁと逆に感心してしまったのでした。
だから加藤さんをキャスティングする時は、そういう持ち味を活かせる現場や監督でないと駄目なんだろうなぁと思っていたのですが、この作品では監督が加藤さんの持ち味を察してちょっと妥協して(台詞テレて言えてないケドそれがこの娘の味だからまあいっか的な)撮られていたのかなと。
加藤さんてAV女優としては出来そこないというか、やっぱり劣等生なんだと思うんですけど、でもなんか見ていて和むんですよね。別に全部のAV女優が芝居もセックスも完璧にこなす人ばかりじゃなくてもいいじゃないかと思いますし。


フェラする前に「あんまり分かんないから、教えて?」と言った後で付け足すような小さな声で「…ください」と何故か敬語になってしまうとことか、なんかいいんですよね。何かになりきろうとするんだけどなりきれない隙みたいなものっていうか、プロフェッショナルな女優さんだったら作品の中では決して見せない部分、見せたとしてもほんの一瞬しか洩らさないものを、加藤さんは常に見せ続けているんですよ。ほぼダダ漏れ状態で。そんな中で、自然に洩らす「(フェラして)しょっぱいね」なんていう呟きがただただ可愛らしかったりするんです。


このフェラの後、屋上で別の部員・木村君とのセックスシーンがあるのですが、夕暮れ時、木々に囲まれ蝉や虫の声が鳴り響く中での2人のやりとりが甘酸っぱくて、私は個人的にたまらなく好きで興奮するシーンなのですが、なつみマネージャーもさっきよりも台詞はスムーズで、ちょっとたどたどしいところがウブな感じを醸し出していて、良いです。
足を痛めた木村君にマッサージをお願いされ、いつの間にかムクムクと大きくなった股間。「高橋にばっかいつもエコひいきしてる」と責める木村君に、「それはないよ! みんな平等だもん」ときっぱりと答えるなつみマネージャー。髪はポニーテールではなく下ろしてちょっと編み込み入ってるスタイルですが、こっちのも似合ってて可愛いです。
自分からパンツを下ろして、「どうしたらいい?」とまた聞いていますが、さっきよりもテレずにちゃんとフェラしているし、フェラしながら木村君の目もちゃんと見るし、「ああ、やれば出来るじゃない!」と再び運動会のパパママ気分に(笑)。


声がとても可愛らしくて、いい響きを持っていて、聞いてると胸がキュンとなるような正統派アイドルっぽい声質なんですね。その声で「やっぱり男の人ってこういうの好きなんだね」とか「私ね、こういうことしてると感じるって分かってきたんだ。私のも触って」とか、ちょっと積極的にエッチなことにも慣れてきたよ、私、みたいな感じで言う台詞は超効果的で、グッときますね。


そうやってちゃんとなりきってる姿を見ていると、素でテレてる時がまた可愛く見えるもので。パンツを下ろされお尻丸出しの格好にされて、アナルをむにゅっと広げられると「ちょっとお尻恥ずかしいよ」とテレるなつみマネージャー。「高橋には見せたんだろ?」「見せてないよ!」「じゃあ俺だけ?」「うーん、そうだね」「ホントに?」「うん」「じゃもっと見ていい?」「いいよ」のやりとり、とってもいいです。


辺りはもう真っ暗で、場所を移動して建物の階段の踊り場でセックスが再開され、騎乗位でなかなかの暴れっぷり(ほんの一瞬だけれど)を見せてくれるなつみマネージャーなんですが、木村君のセックスっぷりもかなりいいです。
騎乗位で、上に乗ってもすぐ自分からは動かない加藤さんにまずは下から数回突き上げて→そこから加藤さんのお尻を支えて上下に揺らして出し入れするみたいな動き→その動きのリズムを崩さずに自分も下から突く→2人の呼吸が合ってきたら、突き上げるのを一旦止めて→加藤さんの太ももを持って前後の動き(クリトリス擦りつけるような感じの)に誘導→加藤さんが自分からその動きを続ける気配がないので→腰を少し浮かして下から突き上げる動きに変更→すると、腰の動きを止めても加藤さんが自ら動いている! しかも上下だけでなく、前後にクイックイッと擦りつけるような、「こうするといいトコに当たるの。いつもこうしてやってるの」みたいな感じのエロい動きをしている!
ここ、すごくイイ感じだったんですが、そのクイックイッの最中でおちんちんが抜けちゃったんですね。動き激し過ぎて。で、何故か加藤さんはふと我に返ったみたいな感じでテレて笑って、カメラから顔を背けるのです。せっかくセックスに没頭してるいい表情してたのに、マズいとこ見られたぁーみたいな顔して。で、木村君は起き上がって正常位で挿れ直すのですが、騎乗位の続き、もっと見たかったなぁ。ドラマとかシチュエーションものだとこういうとこ突き詰めたり出来ないのが勿体ないですね。(加藤さんがテレながらも本気でセックスしている作品、しかも騎乗位で暴れまわってる作品、あったら見てみたいけど、でも見ないでもいいような気がする。なんでしょう、この気持ち)


加藤さん、終わった後は顔中に汗びっしょり。汗っかきな娘なんでしょうね。お尻に出された精液を指に取って舐めて、「ちょっと苦い方かも」「なんだよ、誰と比べてんだよ」ってやりとりが最後にあるんですが、こういう台詞を忘れないように言わなくちゃっていうのが頭にあると、セックスに没頭するなんて出来ないんだろうなぁ。




続く、かなで・ここみ編も面白かったので、後日に。