地震と性欲とオナニー

3月11日に地震が起きて、東北に住むたくさんの方々が被害に遭われ、そのニュースをテレビで見ていたら、性欲が全くなくなってしまいました。被災地で今もなお、寒さに耐え救助を待ち、それでも頑張って生きている方々に比べたら、東京にいる私なんてたいした困難にも遇っていない。なのに、エロいことを考える気持ちが全くなくなってしまいました。オナニーもセックスも全くする気がなくなってしまいました。「母さん、私の性欲、どこに行ったんでしょうね」。そんな感じでした。



なのですが、ついさきほど、震災後初めてオナニーができました。
毎月、ビデオ・ザ・ワールド誌でやらせていただいているインディーズビデオのレビュー用に送られてきたサンプルAVを見て、オナニーしました。

思えば3月11日以降、AVも見ておらず、こんな時にAVを見る気にもなれなくて、でも仕事だから見なきゃと奮起して、暗い気持ちで見始めたのですが、2本目に見た『七海なな×素人 ヌキまくりツアー』を見て、やっと性欲が湧いてきて、オナニーできました。



作品の内容は、七海ななさんが5人の素人男性とエッチな願望を叶えるバスツアーに出掛けるという、いわゆるファン感謝祭ものだったのですが、全編通して笑顔で素人さんと触れ合って、身体で心でご奉仕する七海さんの、一点の曇りもない笑顔と明るさに救われました。セックスっていいなと思いました。



地震発生から9日が経ち、ラジオでは音楽が流れ、テレビではいつも通りのバラエティ番組が放送されています。「こういう時のために音楽がある」「こういう時のために笑いが必要だ」という声を聞きます。その通りだなと思います。そして、AVだって、こういう時のためにあるのだと私は思います。



この先、今まで以上にAV業界はしんどい状況になっていくのかもしれませんし、AV業界で働かれている方々の中には、「こういう時にAVって何の役にも立たない」とか「こういう時にAV稼業の自分は世の中のための何の力にもなれない」と思われている方もいらっしゃるかもしれませんが、そんなことない! って思います。

こういう時に、AV見て元気取り戻して性欲取り戻してオナニーして救われた私みたいな人間もいるのですから。



だからAV制作に携わる方々には、ムラムラっとした性欲を解消するだけの作品ではなく、「これ見れたから明日も生きていこう」と思えるようなAVを作っていって欲しいなと思います。





……と、私が今こんなことを言っても被災地の方々は何一つ救われることはないですが、言わずにおれなかったので書きました。