『くるみのブログ』

「屈託のない笑顔に屈託のある内面」

森下くるみという人を一言で表すならそんな感じでしょうか。


『くるみのブログ』(ドグマ)
森下くるみミーツカンパニー松尾
そんなものすごい組み合わせによる傑作・・・ではなかったですね。
『パラダイス・オブ・トーキョー』のようなドラマは生まれず、
『AVアイドルハッチハイカー 若菜瀬奈』の時のような「僕は彼女に恋をした」てなテロップも出てきません。


でも、森下さんをずっと撮り続けて来たTOHJIRO監督にも撮れなかった(撮らなかった)森下くるみという人の人間的な面白さ、不思議な魅力が詰まっている作品でした。

私が森下さんをいいなと思ったのは、ビデオを見てではなく、ドグマのホームページで書かれている日記を読んでからです。
AV女優さんのやっている日記・ブログって「撮影がありました」「共演者の○○ちゃんです」「今日はおいしいもの食べに行きました」とかそんな感じで、必ず決まった角度からの自画撮りが載っていて、大抵みんな同じ印象なのですが、森下さんの日記は、その人のファンだけが見て楽しめるものではなく、森下さんを知らない人でも「ん?本当にAV女優?」とか「こんな人がいるんだ」と興味をひく内容だと思うのです。
とても面白い。
でもそんな面白さを、森下さんの独特な、AV女優らしくないオンリーワンなキャラを生かした作品作りはされていなかったので、「ブログはブログ。ビデオはビデオ」その良さは全く別々に展開されていくものなんだろうなと思っていたのですが、カンパニー松尾監督がやってくれました。見せてくれましたよ。
それだけでもう100点つけたいくらいの感動です。

この作品でも、当然収録されているハメ撮りはモチロン見ごたえあって、エロくて、興奮させられましたが(森下さんのあのムチムチ具合が、あのお腹についたプヨンプヨンのお肉が!ムショウにいやらしくて、デビュー当時とは何かが変わったのだなと実感させられます。それに興奮している松尾監督も素敵!)それより印象に残るのは、森下さんが松尾監督のカメラで撮った森下さん自身の日常風景。
タクシーの運転手さんの話しに相槌打っている森下さんや、京都の街やお寺をひとりで見て歩く森下さん。愛猫の顔をどアップで撮っている所や、ポストに手紙を入れる姿や、次回作の為にダンスの練習をしている姿。
それらがなによりも面白く興味深いのです。