『猥褻モデル 本城小百合』

本当に、ただただ淫乱なだけの女なんているのでしょうか?


という質問を、今まで何人かの男性にしたことがあります。
「いるいる」「ん〜まあいたよ」ということなので、ただただひたすら本気(マジ)でエロい女ってのは存在するのでしょう。
でも、AVを見ていて思うのは、女の人のエロさの背後には、なんか淋しさとか不安とか飢餓感てものが張り付いているような気がしてならないんですよね。



初めて見た本城小百合の作品は、彼女の引退作でした。
『猥褻モデル 本城小百合』(アリスJAPAN) 監督 高槻彰 2000年


かくあらねばならない自分を演じきることに疲れてしまった本城小百合。
「相手が喜んでくれないとその場にいちゃいけない気がする」
だから普段からハイテンションで、現場では「淫乱女優」を演じ続け、空回りしている自分自身に気付かぬふりをして・・・ 
それが彼女の処世術であったと。


本城さんという人は、とても親しみやすいけれど、特別恵まれたルックスではないですし、カラダもちょっと心配になるくらいボリュームに足らないし、セックスアピールみたいなものはほとんど皆無な印象なのです。
けれど、その奔放で大胆なエロっぷりといやらしいカラミでのし上がり、雑誌の女優ランキングなんかでもTOP10にランクインするくらい人気のあった人でした。最後の淫乱女優(という言葉、最近はもう使わないし、いないですよね・・)という印象でした。


でも、そんなパブリックイメージキャラは高槻彰監督の前では通用しないのですね。
あなたのその頑張りは認めます。でも、素のまんまの自分自身に戻れば、もっと楽に生きられるぜ、と。AV女優でいる必要さえない、と監督は言ってしまっている。ひとりの人間としての本城小百合にエールを送っている。


こんなAVって、ありですかね?


単体女優さんのエロパフォーマンスを有難がる皆さんのおかげで、高槻監督はこういう作風でAVを撮ることをやめてしまわれたのならそれは残念なことですが、でもまあそれも仕方ないし、自然なことなのかもしれません。


悩みや胸の内を打ち明けた後、男優平本氏とのすごーく地味で素朴なセックスが始まるのですが、この時の本城さんが、とても可愛らしく生々しく、それがとてもエロいのですよ。



こんなAVも、ありだと思います。