『生良好毎回中出娘』

アキヒト監督といいますと、AV監督イケメン番付があったなら間違いなく上位にくい込むほどのイケメンぶり、そして、カンパニー松尾監督の弟さんであるということで有名ですが、若い頃のお兄さんをも凌ぐ女の子への思い入れっぷりの強さと恋愛体質ぶりには、ちょっと目を見張るものがあると思います。


ある雑誌でこんなエピソードを目にしました。
―お気に入りのモデルさんとのハメ撮りの撮影時、あまりに力が入り過ぎたアキヒト監督は何から何まで失敗し、撮影後、その悔しさのあまり泣きながら帰った―
(正しくは「帰ってから泣いた」ということでしたが・・・)
そ、そこまで分かりやすく全身全霊で「女の子」とか「撮影」とか「セックス」に向かってる人って見たことがないです私は。



『生良好毎回中出娘』 監督:アキヒト
こちらにてサンプルが見れます→ http://www.pornograph.tv/main/index.html


ある意味問題作のような気がします・・・


いきなりの挿入シーン。四つん這いになったお尻めがけて生でぶち込むという、勇ましいオープニングであります。
(最初にちょっとだけセックスを見せて作品が始まるというこの方法、松尾監督作品でたまに目にしますが、これって「あとでこんなどスケベなことになりますんでねこの女。ちょっと前フリ(インタビュー諸々)長いですけどまあ見ててくださいよ」と、見る人に対して期待感と集中力を持続させる監督のサービスというか心使いというか、そんな意図によるものなのでしょうか?)


撮影日までに2度のドタキャン、この日の待ち合わせに15分遅れて来た「倉本さん」なるこの女性。「お金がないから」と複数のバイトをかけもち、SMのショーモデルをしているという24歳で、アキヒト監督とは2年来の付き合いであるそうなのですが、この倉本さんがちょっとクセモノなのですよ・・・。


常に笑っていて一見愛想の良い女性にも見えるけれど、会話からもセックスからも、その根底では男という存在を心底拒絶している感が滲み出ているんですね。どんな過去があったかは分かりませんが、他人を一切信じていないというか・・・
生で中出しを受け入れながらも、アキヒト監督が抱きつきスカートに汗がつくと「汗は汚いからイヤ」と拒み、「セックスは面倒くさい」けど、チンポを挿し込まれると熱っぽく悶えて「もっと気持ちよくしてよ!」なんて言ったりする。
ハメシロバッチリですし、絵的にはエロいセックスに見えるのですが、空気は殺伐としている。ハズレの風俗嬢にあたった時ってこんな感じなのでしょうか?
生も中出しも、なんか全然ありがたくない・・・


卵巣脳腫という病気に罹り、その入院費用を稼ぐ為にアキヒト監督に連絡をしビデオ出演したという内情があるようですが、「病気と向き合う彼女は強いヒトだと思う」と彼女を肯定して、最後に「僕は彼女に何かしてあげられたのか」と自問自答するアキヒト監督は、女にはとても甘いけれど、ちゃんと人間を信じている人なんだなあと思えます。けれどそれは、見ている人の気持ちを宙ぶらりんにさせてしまう諸刃の剣でもあると感じました。