長江作品ココに注目![パッケージタイトル・書体デザイン編]

前回の日記で書いた長江隆美監督のメーカー「ながえStyle」は、毎月25日に3本の新作をリリースしているのですが、お店で探す時には、少しくすんだ赤色(お母さんが持っている口紅みたいな色です)でふちどりされ、四隅のどこかに【長江隆美監督作品】と書かれたパッケージを目印にすると良いと思います。

凌辱・スワップ・レズ・痴女・ブルセラ・接吻・メイド・性犯罪などのAV定番のテーマを、一作品ごとに趣向を凝らし、「おおっ」と唸りたくなるような斬新なアイデアを注入し、今まで見たことのないような官能映像として提供してくれる長江作品ですが、その一作入魂ぶりとエロさは勿論の事、内容に合わせてパッケージのタイトルの文字デザインを毎回変えているという所にも、ちょっと注目したいですね。

『償い』は、この内容にはこれしかないといった絶妙なデザインでして、罪を償う女の白い肉体が汚されてゆく様を、毛筆タッチで書かれた白い「償い」の文字の上に、暗い影を落とすような薄い黒のグラデーション加工を施す事で表現しています。

前回紹介しました『ボーイッシュ・ガール』は、書体は特に特徴のないものですが、色使いが独特です。茶色の太い明朝体の「ボーイッシュ・ガール」の文字に、白色で細くふちどりがされ、さらにその周りは暗めの抹茶色で2重にコーティングされています(なおかつ文字の茶色の部分は「こげ茶色→茶色→こげ茶色」のグラデーションで彩られている)。そんな、なかなかに試行錯誤が伺えるような、複雑で渋過ぎる色使いによって、「心は男、体は女」という「世間にはなかなか認められない性同一性障害の女性の複雑なアイデンティティ」を描写しています。

悶々とした劣情を抑えきれない女性の狂おしいほどの性欲の発露を変態的痴女行為として描いた『痴女たちの変態性行為』は、タイトル名は「グレー」、そして立体感を出す為の影の部分が「赤」で描かれているという、一般的な使われ方とは逆の色使い。ごく普通の女性が秘めている「性欲」という名の「赤い血」が溢れ出しているかのような文字デザインとなっています。

タイトルからしてちょっとスゴい『貧乏妻 ボロアパートセックス』は、幸薄そうな書体で書かれた「貧乏妻」(色は3枚1000円で売っているベージュ下着のような色です)の文字と、隙間風が吹いてきそうな(まさに「ボロボロ」な)「ボロアパート」の文字が、作品内容のリアリティを増長させています。

という訳で今回は、長江作品ココに注目[パッケージタイトル・書体デザイン編]と題しながら、要は単なる私の勝手な解釈をつれづれなるまま綴らせていただきました。

「ながえStyle作品は、本編同様、その作品の顔となるパッケージの文字書体にも手を抜かないメーカーです!」 というコピーは今私が勝手に付けましたが、そんな視点で見てみますと、また一味違った楽しみが広がるかと思います。