D−1・K*WEST監督の現場

引き続き、D−1ネタです。

K*WEST監督の現場に行って来ました。
女優は松野ゆいさん。

D−1オーディションの時に、「あなたを撮りたくてここに来た」と宣言し、監督面接でも松野ゆいただ一人を指名したK*WEST監督。
その公開監督面接では、全裸になり、自らお尻をペシペシ叩き、体を真っ赤に染めながら涙を流して、取り囲む大勢の観客の前で姿見鏡に映る自分の姿を見つめながらドエロいオナニーを見せていた松野さん。そんな松野さんの口にぶっといハリガタを突っ込み、言葉で煽りながら責め、松野さんのM性を引きずり出し、意外なドSぶりを見せつけていたK*WEST監督。

松野さんに対して、「いい奴。いい人間だな。もっとエロいんじゃないかと。もっと奥が深いんじゃないか。彼女ともっと深いコミュニケーションをとりたいなと思いました」と言っていた監督。

D−1での公開調教、そしてそんな監督の言葉を受けて、「K*WEST監督は松野ゆいとハメ撮りをするつもりなのではないか?」と私は勝手に予想していたのですが、全然違ってました…。(見たかったんですけどね、監督のハメ撮り…)

作品内容を一言で言いますと、凌辱系のドラマものでした。
撮影場所となる倉庫の中で、朝から晩(明け方?)まで松野さんは黒人男性やガスマスクを付けた正体不明の男達に凌辱され、泥まみれになりながらボロボロに犯されていました。
映画『SAW』や『CUBE』のAV版とも言える不条理なシチュエーションの中、監督がこだわっていたのは「ヤラレてもヤラレても立ち上がっていく強い松野ゆいの姿」

女性がただただヤラレまくってボロボロにされてしまうようなよくある凌辱作品とは違う、ある演出が物語の中にあるのですが、そこを意識して作品を観てみると、松野ゆいというAV女優の本質(=監督の思う松野ゆい像)が見えてくるという仕掛けにもなっています。

作品の世界観を重厚にする為に美術やセットにも力を入れていて、かなりカッコ良い画を撮っていたので、仕上がりがとても楽しみなんですが、今回の現場で印象的だったのは、なによりも松野ゆいという女性の素敵ぶり。

凛々しく毅然とした綺麗な顔立ちと、色白で透明感のあるめっちゃ綺麗な肌。カラダも綺麗だし、細身なのにムショウにそそるあのおっぱいなんてヤバいですよ。もし女風呂にこんな女性が入ってきたら、とても平常心じゃいられませんよ! こっそり視姦しまくっちゃいますよ! と鼻息荒く訴えたくなるような、もうビジュアル的には最高な女優さんなのですが、中身がまた素敵なのでした。
監督はことあるごとに「男前」と仰っていましたが、確かにサバサバしていて、女の媚とか一切ない話し方で、取材に来ていた私なんかにまで気を使ってくれる人なのですよ。男友達から「おまえっていい奴だな」って言われるタイプの女子っているじゃないですか。松野さんてそういうタイプなんだろうなと。でもセックスになるとガラッと変わって、男心をソソる表情とか声のトーンとか仕草とか、いい女のフェロモンを一気に放出しだすのです。

個人的には、「お菓子食べますか?」とか「ひとりで寂しくないですか? こっちきてお弁当食べませんか?」とか、現場でそんな風に声をかけてくれた女優さんは初めてだったので、こんな女優さんもいるんだなぁと驚き&感激してしまいまして、「こんなに気を使ってくれる女優さんなんていないですよ」と言ったら、「(現場では)皆、同士じゃないですか」と、これまた人を(私だけでなく、スタッフや監督、現場にいる全ての人)感激させるようなことをサラッと言ってのけるのです。女優さんがこんな気持ちでいたら、そりゃ現場の人間皆、気合入るでしょうに。

「(スタッフの人達を見て)なんでこんなに頑張ってくれるの? と感動した」「私が見ていたように、皆にもスタッフ(の頑張り)を見て欲しいと思った」と松野さんは言っていました。

作品を観る人にとっては、その作品で観たことが全てな訳ですから、現場の頑張りだとか、女優さん(監督)の想いなんてあまり関係ないものだと思うんですよ。現場がどんなに良くても、作品がつまらなかったら現場の人達のただの自己満足にしかならないのだろうし、観ている人に何かが伝わらなきゃ何の意味もないのだと思いますし。
ドグマというメーカーの現場は女優さんからの指示がとても高い反面、アンチな感情を抱く人も沢山いるようで。
「でも、本当に素晴らしい現場なんですよ!」と妄信的にアピールするつもりは全くないんですが――

松野さんからこんな話しを聞いたんです。
K*WEST監督との第1作目『BODY JACK』の話しなのですが、雑誌のインタビューで松野さんは「2年半AVを続けてきて、この作品で初めて自分の中のタガが外れた」と言っていたのです。それまではビデオの中でするセックスは、AV女優の「松野ゆい」を本名の自分が客観的に見ているような感覚でこなしていた(この辺は私の解釈です)そうなのですが、「初めて女優と自分の境界線がグチャグチャになった」と。
それまでの現場と、初めてそんな風になれたというその現場、一体何が違っていたのですか? と訊いてみたところ、「まず、演じなくていいと(監督から)言われたこと。それと、この人達の前でなら壊れてもいいと思えたから。私がどんなにおかしくなっても受け止めてくれると思えたから」という答えが返ってきました。現場のスタッフの人達を見て、「この人達に(タガが外れる自分を)見てもらえることが嬉しいと思えた。真剣にやってくれている人達に、(タガが)外れなかったら逆に失礼だと思った」と言うのです。

ビデオの中で女優さんがものすごいドエロいセックスを見せた。その裏にあったのが、「スタッフの人達の頑張りに対する松野さんなりの返答」だった。
多分、オナニーしやすい作品的なエロさだったら、他の松野作品の方が上だったりするのでしょう。こういったエピソードを聞いたところで作品の興奮度が上がるわけでもないと思います。
でも、こういう人と人との“情”っていうんですかね、こういう話しが聞けた時なんですよ、「ああ、この現場に来れて良かったなぁ」と思うのは。
まあこれは、私の自己満足なんですけどね。