『私を女優にして下さい AGAIN6』

また次回に続きます。


なんて書いておいて早くも7カ月が経ってしまいました…


それでも続き、書きますよ。



松尾監督の撮った1人目と3人目の巨乳ちゃんに挟まれて、ひとりスレンダーでぺチャパイの普通っぽい女の子・さくらさん。
このさくらさんのパートを撮ったのが、以前書いたように、今シリーズ初参加のタートル今田監督なのですが、これがむしょうにグッときましてね。。。


今田監督が「健康的じゃないですか」と第一印象を伝える通り、さくらさん(26歳)はAVギャルっぽくない清潔感と、どこか頑なな空気を身に纏ったごく普通の女の子なのですが、ビデオに出たきっかけを訊かれると、「エッチについて悩んではいないですけど、本当はちょっとヤサグレていたので…」と、その毅然とした口調を崩さず、でも何か満たされていない寂しさを覗かせるんですね。
結婚している男性と付き合っていたのだけれど、別れてしまって、それからすぐに求人誌を見て自ら応募したのだと。
「失恋の痛手をカラダで癒す、みたいな…だけどやっぱり癒されないですね」と言って笑うさくらさん。
これ聞いて、ああなんか分かる…と頷く女性って結構いるんじゃないですかね。というか私も、好きな人が他の誰かを好きだと知った時、出会い系で続けざま5人くらいの男性と知り合ったり、めちゃめちゃドエロいことでもしてこの寂しさ埋めようなんて思ったことあるものですから…。まあ余計傷つくんですけどね。そんなことしても。
そんな彼女の心と身体のチグハグさを、監督は「それが逆にAVに出る理由の様に思いました」と綴るんですね。


「セックス自体が気持ちいいというより、肌と肌がくっつくのが好き」と言うさくらさんに、「今日は、僕が癒しますよ」と監督は彼女の心を抱きしめるように撮影は進んでいくのですが、ホテルに着く前の公園で話しを訊いている途中、ふいに「パンツでも見せて」と言い出すのですね。
真っ赤に染まった紅葉の樹の下に立ってスカートを捲り、紅葉とおんなじ色の真っ赤な下着を見せるさくらさん。
このシーンがいいんですよ。
心を許して話していた監督から急に「パンツ見せて」とAV的要求されて、ちょっと憮然としながら照れ笑いを浮かべ、不安げにうつむいて「恥ずかしい」と呟く、この彼女の心の揺れが、「どうしたらいいのか分からない」って感じでくるくる変わる表情が、見ていて愛おしくなってくるんですね。
そして、「(求めているものは)ハートトゥハート」と語り、切実な衝動や欲望を封じ込めたような赤い下着を付けて撮影にやって来た彼女のチグハグさがそこに写し出されていて、彼女の存在が、その内面がとても生々しく伝わってきて、どうしようもなく愛おしく思えてしまうんです。


そうやって、こんな娘がどんなセックスをするんだろう? と、画面に惹きつけられた後に始まるホテルでのセックスはやっぱり生々しくいやらしくて、この感じは1人目の鈴香さんや3人目のゆいちゃんには感じられなかったものなんですね…


セックスの途中でさくらさんが鼻水出して、一旦中断したりするのが微笑ましいんですが、Mっ気があるという彼女の要望で目隠しをして始まるこのハメ撮りは、さくらさんが感じて出す声の蕩けっぷりがもう、切なくていやらしくて興奮しました。女性が好きな男(この場合、自分の願望や寂しさを受け止めてくれた監督)に抱かれている時と同じ本気の欲情がこの声の響きに籠っているような気がするんですよね。私の琴線にはビンビン響いてきました。
足をM字に開いて、監督に言われて自分でおまんこのビラビラを開いている時のさくらさんの顔が子供みたいにあどけなくてドキッとします。バックで挿入時、「自分で動いてごらん」と言われたさくらさんが前後に腰動かしておちんちんを味わっている姿と、そんな時に後ろからふいに突かれ、「うあはぁぁ〜〜」と思わず出してしまった声もエロくて良いです。

唾液といやらしい汁でテカテカになったおまんこのアップや、お尻の穴丸出しでバックからおちんちんズボズボ出し入れしているエゲつないカットもあるのですが、見終わって残るのは「ハートトゥハート」な感触、ぬくもりってやつなんですよね。


セックスの後、ふたりでお風呂に入ってさくらさんが監督の手相を見ながらいちゃついてるのが可愛らしくて、なんかホッとします。別れ際も、車中で監督の手を握ってしばらくずっと離さないさくらさん。

そんな場面を見て、私は胸を締め付けられるような気持ちになって、いいなぁ、切ないなぁと思う。



けれど、それは全部AVの撮影内で行われたことなわけで、永遠には続かない。どんなにぬくもりのあるセックスをしたとしても、そのセックスは見世物となり、監督とさくらさんはそれでお金を貰う。当人達の感情までもが商品となり、それに見合った、もしくはまったく見合っていないお金を手にする。



最後に出る監督のテロップは、そのことの哀しさと、それでも確かな何かは残るのだと、そっと呟いていているようで、やっぱり胸を締め付けられるのでした。