代々木忠監督の現場

年も明け、もう街も人も通常通りの生活に戻っていますが、
少々遅ればせながら、あけましておめでとうございます。


2006年、私木下は色々なメーカー様の撮影現場にお邪魔して、人様のセックスを覗いて参りました。
中でも一番印象に残っているのは、昨年11月に行ったアテナ映像さんの代々木忠監督の『ザ・面接』の現場です。
アテナの広報の方によりますと、この面接シリーズに現場取材が入ることは滅多にないらしく、実に6年ぶりである模様。(その6年前の取材者は「ビデオ・ザ・ワールド」誌のライター中村氏。2000年2月号に撮影現場ルポが載っています)


今回の『ザ・面接』は、なんとVOL.95。100作目へのカウントダウンがもう始まっているのですね。
AVの長寿シリーズは数あれど、ひとりの監督がこれだけの本数を撮っているシリーズ作品は、他に思い当たりません。


最近の面接シリーズを見た方ならご存知かと思いますが、初期の頃の「社員の机が並ぶアテナ社内にて、アテナの社員や社員に扮したエキストラ女性達にチラチラ見られながら(いやホントはチラ見どころじゃないですね)の面接」というスタイルは、アテナ本社の引越しによって現在は「アテナ社内の会議室のような一室で、審査員と称された素人(?)女性にガン見されながらの面接」というものに変化しているのですね。
面接後には審査員女性達による批評がついていて、セックスを見た後のヌレ度(ご自分のです)やモデル度・男優度・愛情度・変態度などを発表し合う)これがなかなか辛口だったり、時に甘口だったりして面白いです。
しかも、社員エキストラの時と同じように、面接に来たモデルさん以上にエロの潜在能力を秘めた女性が中には紛れ込んでいたりするものですから、毅然と「ヌレ度は30点ですね」とか言っていた女性が最後には男優にちんぽを突っ込まれ、ものすごい声を会議室に響かせ乱れ狂っていたりする。そんな「審査員女性の激変ぶり」には「女の性欲の強さ」が象徴的に出ているし、同時に「女心」ってやつも垣間見れたりしますので、その辺も興味深いですよ。


以前日記でも書いたように、私はこのシリーズが好きで、AVを見始めた頃から見ていた思い出深いAV作品であり、代々木監督が書かれた「プラトニック・アニマル」という本は、処女で無知だった10代の頃、肥大した自意識ゆえに「自分はきっと一生セックスはしない(できない)」と諦観し閉じていた私の心の処女膜をぶち破ってくれた世紀の名著であるわけで、そのことへの感謝や恩みたいなもの、思い入れなどは勝手に色々持っていましたので、もう、その現場に自分がいるだけで感無量なわけです。


今回私は審査員ではなく、普通に取材者として現場を見させていただいたのですが、審査員にならって自分でもこっそり点数をつけていたのですね。でもって木下的にこの日のヌレ度ナンバーワンだったモデルさんは、3人目に面接に来た「モリサキナツキ」さんという31歳の人妻さんなんですが、この人とにかく目がエロいんですよ。
ささやくようなウィスパーボイスで「セックス好きです。亭主とはしない。セックスは他の人と・・・」と語るのですが、面接官の市原さんが思わず「話す相手の目を見てるな。こりゃセックスの時タマランで」と洩らすほどに、男を惹きつける魅惑的な目をしている。パッチリとした大きな目の下にあるぷっくりとした涙袋(この部分をみうらじゅん氏は「エロタンク」と呼んでましたね)もいやらしいです。男優・片山さんとキスをすると、まるでラブジュースが出てきたんじゃないかと思うように目が潤んでくるのです。
審査員も面接官も誰も言葉を発することなく、皆が真剣な表情で見入る中、モリサキさんがゆっくりとパンツを脱いで足を開きカメラの前でおまんこを見せた時、私の心のちんぽが勃起しました。(こ、これはエロい・・・。エロ過ぎる!)もうこの時点でヌレ度100点ですよ。(そして何故だか涙が出そうにもなりました)


モリサキさんの他にも、ムーディーズでデビューされた天乃みおさん(この人もいやらしくて可愛らしかったです)や、佐川銀次さんに「(セックスする相手は)えっ、この人と?」と言って佐川さん(だけでなく監督をも)を怒らせ(?)面接官軍の男のプライドに火をつけた一癖ありな人妻フルカワさん、そして最後に大爆発する審査員女性達の本気セックス(森さんが相手した熟女さんが特にすごかった・・・)と、見所ありまくりなすんごい現場でありました。


「主婦達は恋人がいる」
代々木監督が最後にそう呟かれました。
今回の面接のキーワードは「夫婦間のセックスレス」。身に思い当たりのある方は、是非見てみるべき作品だと思います。
(ちなみに、もっと詳しいこの現場のレポートは、来月発売の「ビデオ・ザ・ワールド」3月号に掲載されますので、よかったら読んでみてくださいませ)


「ホカホカですか。」
撮影後、ノートにサインをお願いした私に代々木監督は快く答えて下さりました。(しかも、ノートではなんだからと後日色紙のサインを送って下さいました。なんと有り難いことか)
そこに書かれていた言葉です。
皆さんはホカホカでしょうか?
私は・・・どうだろうなあ・・・・・・。


「ホカホカ。ホカホカ?ホカホカ。ホカホカ?」
そんな言葉を反芻しながら、段取りの決められた「見せるセックス」ではなく、男と女が交わる「本物のセックス」に魅せられ火照って冷めない体のままの撮影後の帰り道、私はなんだかとても誰かとセックスしたくてたまらない気持ちになりました。